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日本の祭祀・祭礼

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山王祭(さんのうまつり)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

山王祭とは、 東京都千代田区にある日枝神社の祭りで、正式名称は「日枝神社大祭」と言います。また、山王祭は「神幸祭」をはじめとする各種祭典の総称です。神田祭とともに「天下祭り」(注1)の1つとされ、これに深川祭(注2)(深川祭の代わりに三社祭とする事もあります)を加え、「江戸三大祭り」(注3)の1つともされています。 見どころは「神幸祭」です。500人もの王朝装束をまとった行列が、皇居、東京駅周辺、日本橋、銀座など23キロの距離を巡行します。

日付や時期

6月第2日曜日前後

由来・起源・制定

神様をおもてなしして1年の平和をお祈りする神事として、鎌倉時代から始まった山王祭ですが、今のような神幸祭が始まったのは、江戸時代からと言われています。日枝神社は南北朝時代から存在したとも言われていますが、太田道灌(おおたどうかん)によって江戸城内に移築され、更に江戸幕府成立後に再び城外に移されたと言われています。その後に同社が江戸城及び徳川将軍家の産土神(守護神)と考えられるようになり、その祭礼にも保護が加えられるようになりました。
江戸の町の守護神であった神田明神に対して、日枝神社は江戸城そのものの守護を司ったために、幕府の保護が手厚く、祭礼の際には将軍の名代が派遣され、祭祀に必要な調度品の費用や人員が幕府から出される(助成金の交付・大名(注4)旗本(注5)の動員)一方で、行列の集合から経路、解散までの順序が厳しく定められていました。最盛期の文化・文政期には神輿3基、山車(注6)60台という大行列となり、江戸を代表する夏祭りとなりました。明治以前は旧暦(注7)6月15日に行われていました。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

主な行事として、祭神を御輿に移す鳳輦神輿遷座祭(ほうれんみこしせんざさい)(注8)、各町内会の連合渡御となる氏子町会神輿神霊入れ(注9)、伝統の神事能である明神能・幽玄の花(注10)、そしてすべての神職(注11)が奉仕する例大祭などがあります。

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お金に関する事項

祭りの詰所やお神輿にお祝い金を包む場合、相場は3,000円から1万円とされており、迷う場合は5,000円ぐらいで良いかと思います。
また、お祭りの際に神社にお金やお供え物を納める場合、1,000円~1万円が目安だとされています。

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のし紙・掛紙の水引や表書について

祭りの詰所やお神輿にお祝い金を包む場合、お金包みは赤白の水引で「花結」が基本で、表書は「御祝儀」などとします。水引下段の名入には氏名や会社名を記入します。お酒などの品ものを渡す場合も、赤白の「花結」ののし紙に表書は同じく「御祝儀」とします。
お祭りの際に神社にお供え物を納める場合、のし紙の水引は赤白の「花結」で、表書きは「奉納」とするのが一般的です。名入には寄進をする人の氏名を水引の下段に入れます。お金を納める際のお金包みも同様とします。

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その他の事項(宗教に関する事など)

神社にお参りをする際は、まず鳥居で一礼し、参道の端を歩きます。手水舎で手と口、体の外と内を清めます。神前の賽銭箱の前まで来たら鈴を鳴らし、お賽銭を入れて二礼二拍手し、手を合わせてお祈りします。その後一礼して神前を離れ、鳥居をくぐって出た後、振り返って一礼します。

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脚注

(注1)天下祭:江戸時代以来続いている江戸の代表的な祭礼。
(注2)深川祭:東京都江東区の富岡八幡宮の祭礼。
(注3)江戸三大祭:東京都内で行われる3つの大きな祭り「神輿深川、山車神田、山王様」のこと。
(注4)大名:江戸時代に1万石以上の広い所領・大きな石高を持ち、徳川将軍と直接の主従関係を結んでいた日本各地の有力な武士・武家。
(注5)旗本:江戸時代の徳川将軍家直属の家臣のうち、禄高が1万石以下で、将軍に謁見する資格を持つ武士。
(注6)山車(だし):祭礼の際に引いたり担いだりする、様々な飾り付けを施した出し物(屋台)の総称。
(注7)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月の満ち欠けを主な基準にして決めた暦。
(注8)鳳輦神輿遷座祭(ほうれんみこしせんざさい)御神霊(おみたま)を鳳輦・神輿に遷(うつ)す神事
(注9)神輿神霊入れ:御神霊を社殿から神輿へ移す神事
(注10)明神能・幽玄の花:神事能の題名。
(注11)神職:神社に仕える者。神主。

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