冠婚葬祭
法事・法要(ほうじ・ほうよう)
出典:IBC冠婚葬祭辞典
遺族、親族、友人などが参列して亡くなった方を供養する儀式です。日本における儀式は、主に仏式法事・法要、神式法事・法要、キリスト教法事・法要に大別されます。仏式が一般的ですが、それぞれの様式によって、儀式の内容や順番が異なりますので、作法やマナー違反を避けるため、参列者は事前にどの様式か知っておくとよいでしょう。
法要・法事の概要
法要や法事はこれらの儀式の行い方と開催する時期の教えとされています。より良い来世に生まれ変わることを願い、祈り、親族が善行を積むことで自分自身にも返ってくると考えられています。
地域、宗派、お家の考え方により色々に行われています。
・「法要」は追善供養とも呼ばれ、寺院などにて読経や焼香を上げる儀式のことです。
宗教や宗派によって考え方は異なりますが、仏教(浄土真宗)においては、極楽浄土に往生するために遺族が行なう行事です。仏の教えを、和尚(おしょう)、「ご住職」と呼ばれる僧侶などから故人を偲び続経や焼香をあげます。法要は宗教的な儀式だけを意味し、法事はその後の会食までを含んだ行事のことです。つまり法要は法事の一部と言えます。
・「法事」は法要後に法要を行った方々で故人を偲んで会食などを行う一連の行事のことです。
現在の「日本の法事」は、一般的に仏教由来の儀式として、故人やご先祖様を偲び、「お盆」や「お彼岸」などにに行なわれています。仏の教えを広めることから広がり、今では死者の追善供養を行う行事を指すようになりました。
法要には、故人の命日を基準に、「忌日法要」と「年忌法要」の2種類があります。
供養の意義・目的
・故人の冥福を祈る
・遺族の悲しみを癒やす
・故人の功徳を称える
・故人への感謝の意を表す
・故人を偲ぶための機会とする
・故人の魂が極楽浄土に行けるように祈る
供養の種類(法要の種類)
法要には大きく分けて2つの種類があります。亡くなった日から日数を数えて行う「忌日法要(きじつ・きびほうよう)」と、年単位で行う「年忌法要(ねんきほうよう)」です。
故人の命日を基準に、忌日法要と年忌法要の2種類
【忌日(きにち・きじつ)法要の例】
・初七日(しょなのか・しょなぬか):故人の命日から7日目
以降、七日毎に、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)、四七日(よなのか)、五日(いつなのか)、六七日(むなのか)
・四十九日(なななのか・四十九日)故人の命日から49日目の忌明け
・納骨法要:一般的に火葬後の遺骨は骨壺に納め、仏壇や祭壇に置いて供養します。。
・地域によって異なりますが、納骨法要は、四十九日法要の日かこの日を目安に実施するのが一般的です(納骨は三回忌までに行われます)
・百カ日(ひゃっかにち)、卒哭忌(そっこくき)故人の命日から100日目
・新盆・初盆(にいぼん・はつぼん)四十九日の忌明けに初めてお盆休み頃に行う(8月13日~16日の中旬)
法要や法事の時期
毎年迎える命日又は、毎年訪れる祥月命日(しょうつきめいにち)という亡くなった命日の、翌年以降の日か又は、親族が集まるのであれば、皆の都合の良いその月などに行うのも良いでしょう。
また、慣習により「月命日(つきめいにち)」、例えば10月1日が命日の場合には、毎月1日が月命日にあたりますので、その日に行うのも良いでしょう。
・お盆(おぼん)お盆休み8月13日~16日の中旬頃
・一周忌(いっしゅうき)故人の命日から1年後の祥月命日
・三回忌(さんかいき)故人の命日から2年後の祥月命日
・七回忌(ななかいき)故人の命日から6年後の祥月命日
・十三回忌(じゅうさんかいき)故人の命日から12年後の祥月命日
・十七回忌(じゅうななかいき)16年後の祥月命日
・二十三回忌(にじゅうさんかいき)22年後の祥月命日
・二十七回忌(にじゅうななかいき)26年後の祥月命日
・七回忌以降は省略したり、集まる人数や規模を縮小し、親族だけで行なうケース方が増えています。
(注)二十三回忌と二十七回忌を同時に二十五回忌として行う宗派などもあるようです。
・三十三回忌(さんじゅうさんかいき)32年後の祥月命日
地域や宗派によっても異なりますが、三十三回忌を区切りとして、以降の法要は行わない「弔い上げ(とむらいあげ)」も増えています。
・五十回忌/49年後の祥月命日
三十三回忌で「弔い上げ」をしなかった場合、五十回忌で「弔い上げ」となります。
・百回忌/99年後の祥月命日
三十三回忌または五十回忌で「弔い上げ」をせず、百回忌が行われることなどもあります。
(注)弔い上げ(とむらいあげ)とは、故人を供養するための年忌法要の最後に行われる法要です。
毎年迎える命日又は、毎年訪れる祥月命日(しょうつきめいにち)という亡くなった命日の、翌年以降の日か又は、親族が集まるのであれば、皆の都合の良いその月などに行うのも良いでしょう。
また、慣習により「月命日(つきめいにち)」、例えば10月1日が命日の場合には、毎月1日が月命日にあたりますので、その日に行うのも良いでしょう。
のし紙・掛紙の水引や表書について
使用する水引は、主に黒白または双銀が一般的です。黒白は仏式全般で使われ、双銀は神式やキリスト教の弔事で使われます。また、地域によっては黄白や青白が使われることもあります。
法事用のお供え物の水引の色は地域によって差があります。 例えば、関西では一般的に四十九日法要から黄白の水引を使用することが多いですが、関東では一周忌までは黒白を使い、黄白は三周忌以降でないと使ってはいけないとされています。
四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」が一般的です。ただし、浄土真宗はどの時期でも「御仏前」とします。
住職への御礼の表書きは「御布施」とします。
その他
弔い上げ(とむらいあげ)とは、故人を供養するための年忌法要の最後に行われる法要です。
これらのことから多忙な現代社会において、故人やご先祖の法要を、近い命日で同時期に行うのが一般化しています。
節目の年月(祥月命日)に法要ができない場合には、気づいた時に、親族、親戚、親類などに声をかけて法要を行うことで故人やご先祖の供養となり、平安な気持ちになるのではないでしょうか。
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