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年中行事

重陽(ちょうよう)

出典:IBC冠婚葬祭辞典

重陽は、五節句(注1)の1つで、日本をはじめ、中国、香港、マカオ、台湾、ベトナムにおいて伝統的な祝いの行事を行う日です。日本では菊が咲く季節であることから、別名「菊の節句」とも呼ばれています。

日付や時期

9月9日頃。元は旧暦(注5)で定められており、新暦(注6)では年により日が変わる場合があり

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由来・起源・制定

陰陽思想(注2)では奇数は陽の数であり、陽数の極である9が重なる日であることから「重陽」と呼ばれます。古くは奇数の重なる月日は陽の気が強すぎるため不吉とされ、それを祓う行事として節句が行われていましたが、9は1桁の数のうち最大の「陽」であり、特に負担の大きい節句と考えられていました。しかしその後、陽の重なりを吉祥とする考えに転じ、祝い事となったとされています。
中国で重陽が正式な節句として認められたのは漢代(注3)です。劉歆による『西京雑記』に、高祖の愛妾であった戚夫人が殺害された後、宮廷より放逐された侍女の賈佩蘭(かはいらん)が、9月9日は宮廷では茱萸(ぐみ)(注4)を肘に下げ、菊酒を飲み長寿を祈る習慣があったと人に話したことにより、民間でも祝われるようになったとあります。
日本では、平安時代から菊花酒(菊の酒)を飲む風習があり、中国からの伝わった重陽の習慣と混ざった風習と言われています。

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行事や風習・慣習、季節に関する事項

古くは邪気を祓い長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったりしていました。平安時代の貴族の間では、節句の前夜に菊に綿をおいて露を染ませ、身体をぬぐう「菊の着綿(きせわた)」と言われる習慣もありました。現在ではこのような風習はあまり実施されていません。

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脚注

(注1)五節句:1年間にある5つの節句。人日(じんじつ/1月7日)、上巳(じょうし/3月3日)、端午(たんご/5月5日)、七夕(しちせき/7月7日)、重陽(ちょうよう/9月9日)。
(注2)旧暦(太陰太陽暦):1872年に採用された太陽暦(新暦)に対して、それ以前に用いられていた太陰太陽暦のこと。月のみちかけと太陽の動きをもとにつくられた暦。
(注3)新暦:ローマ教皇グレゴリウス13世が制定し、1582年10月15日金曜日から執行されている暦法。 現在「太陽暦」として世界各国で用いられており、「新暦」と呼ばれる。日本では旧暦(太陰太陽暦)に代わって、1873(明治6)年から採用されている。
(注4)陰陽思想:中国が起源の思想。森羅万象、宇宙のありとあらゆる物事を色々な観点から陰(いん)と陽(よう)の2つに分類する思想。
(注5)漢代:中国古代の統一王朝。前漢 (前202~後8年) および、後漢 (25~220年) を言う。
(注6)茱萸(ぐみ):ぐみ科の落葉または常緑低木の総称。

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